猫背の矯正と腰痛の改善 ~胸元の柔軟性と呼吸~

投稿日時:2018/01/30(火) 16:42

寒くなると、ついついポケットに手を入れて歩きがちですね。

ポケットに手を入れたままで歩くと、肩が内側に入るので胸元の筋肉が非常に硬くなりやすいのです。

実はこの胸元の筋肉の柔軟性が、猫背を作り出すだけでなく腰痛の原因となりうることもあるのです。

そして、胸元の筋肉の柔軟性は呼吸にも大きく影響を及ぼします。

呼吸は肩こり、首こり原因となるだけでなく、腰痛にも関わっている可能性があります。

そんな胸元の筋肉の柔軟性が及ぼす猫背と腰痛への影響をお伝えしていきます。


 

目次


・胸元の構造(骨、筋肉)

・呼吸の順番
・胸元の筋肉の柔軟性が及ぼす腰痛への影響
・胸元の柔軟性向上、呼吸エクササイズ
・まとめ


 

胸元の構造


まずは、胸元の筋肉や骨がどのような構造をしているのか、その部分についてお話していきます。


胸元には大きく分類して3つの骨から形成されており、胸骨、胸椎(きょうつい)、肋骨から成り立っています。

まずは胸骨についてです。

胸骨とは、胸元にある中心の骨になります。



この胸骨はさらに3つに分類することができ、上から胸骨柄(きょうこつへい)、胸骨体(きょうこつたい)、剣状突起(けんじょうとっき)の3つから構成されています。

この中心にある胸骨から肋骨(正確には「肋軟骨(ろくなんこつ)」)が背中にかけてくっついています。

次に胸椎(きょうつい)の構造につきまして、ご説明していきます。

胸骨に対して、背面にある背骨の部分を胸椎と言います。



胸椎は背骨(脊柱:"せきちゅう"とも言います)の一部分であり、より丸まりの強くなっている部分です。

通常この部分が過剰に丸まることによって「猫背」になってしまう方が多いのですが、胸椎の部位によっても変わってきます。

例えば、首の付け根に近い部分が過剰に丸まっているだけで、そこから下の部分に関してはそこまで丸まっておらず、むしろまっすぐになっている方も多いのです。

通常丸まってほしい部分が丸まれずにいると、そのほかの部分が頑張って丸め、姿勢を維持しなくてはいけなくなります。

すると、腰の部分が過剰に反らなければならなくなったりするのです。

そして、その胸椎と胸骨に付着していて、鳥かごのように周りを覆っている肋骨があります。



この肋骨のおかげで呼吸がスムーズにできたり(正確には肋骨に付着している筋肉のおかげで)、中にある内臓を守ったりできるのです。

では、上述の肋骨、胸骨、胸椎にはどのような筋肉がついているのでしょうか?

非常にたくさんの筋肉がついていますので、今回は主要な筋肉についてお話していきたいと思います。

まず代表的なのが「大胸筋」です。



通常、腕立て伏せなどでメインに鍛えることができる部位がこの筋肉です。

この筋肉は、腕の骨から肋骨、そして胸骨にかけてくっついており、強く働くと腕を体の前方に移動させたり、胸椎を過剰に丸めて背中を丸めてしまいます。

非常に重要な筋肉ですが、ポケットに手を入れたりすることでこの筋肉が硬くなり、背中の丸まった「猫背」になり兼ねないのです。

そして、その胸元からさらに奥に「小胸筋」という筋肉が存在します。



なかなかお聞きにならない方も多いと思うのですが、この筋肉が硬くなることで、肩の位置を内側に入れてしまったり、首の付け根を過剰に丸めることで猫背を作ってしまうのです。

基本的に、四十肩、五十肩と言われる部分に関してはこの筋肉の関与が大きいと言われています。

 

呼吸の順番


呼吸には種類があるのですが、どの呼吸をメインに行っているかによって、猫背になってしまったり、はたまた腰痛の可能性まで出てきてしまうのです。そこで、まずは、正しい呼吸についてお伝えしていきます。


呼吸をする際にはお腹や胸など、膨らんでいく順番があります。

①お腹
②下の肋骨が横に膨らむ
③それより上の前方についている肋骨(胸元)が膨らむ
④さらに上の鎖骨付近が膨らむ

上記4
つの順番で膨らんでいくのが正しい呼吸の順番と言われています。

例えば、息を吸ったときにお腹が凹み、主として胸元を膨らませるような胸式呼吸がメインとなってしまっている場合、腰や胸の背骨は全体的に反ったような状態になりやすく、お腹の筋肉をうまく使うことができなくなります。


また、お腹の部分は腰、お腹の横も含め、本来は360度きれいに膨らんでいきます。

ペットボトルを想像してみましょう。中身の入っていないペットボトルがあります。このペットボトルがペコっと凹んでしまったまま蓋をされていると、簡単に捻ることができてしまいます。

これとは反対に、360
度きれいに円形を保ったまま蓋をされたペットボトルは、そう簡単に捻ることはできません。

お腹もこれと同じ原理で、お腹が凹んだままの状態で体を捻るなどの動きを行うと、本来あまり回ってはいけない腰の骨が過剰に回ることによって過剰なストレスを受けます。

反対にしっかりとお腹、お腹の横、背中まで360
度に膨らんだお腹の部分は腰の骨を安定させ、捻れ等の動きに対してのストレスを緩和してくれるのです。

よって、お腹が凹み、胸を引き上げてお腹の筋肉をうまく使えなくなるような呼吸ではなく、お腹、胸の順番でお腹周りが360度に膨らむような呼吸が重要となるのです。

上記の正しい呼吸の順番でうまく呼吸するために重要となってくることがあります。まず、下にある肋骨が前方に飛び出さないように気を付けなければなりません。




上記のように、肋骨が前方に飛び出すように息を吸ってしまうと、常に息を吸った状態が続いてしまい、背中など体の背面に空気が入りにくくなってしまいます。

お腹周りを安定させ、腰への過剰なストレスから回避できるようにするため、肋骨が前方に飛び出すように息を吸わないようにします。

基本的に肋骨の下側の部分は、横に広がるのが正しい動きとなりますので、前方に飛び出さないよう静かに息を吸うように気を付けましょう。


 

胸元の筋肉の柔軟性が及ぼす腰痛への影響


この胸元の筋肉が硬くなってしまうとどうなるか。


胸元の筋肉が硬くなってしまうと、背中でも特に胸椎の上の方の丸みが増し、首の付け根あたりまで丸くなってしまう可能性が高くなります。


人間の背骨は腰の骨(腰椎と言います)が少し反り、胸椎が丸まるというS字の構造となっています。




首の付け根(頸椎と言います)や胸椎の上の方が過剰に丸まってしまうと、代わりに元々反っている腰椎が頑張って過剰に反って重心を取らなければならなくなります。

腰の部分が過剰に反ってしまうことによって、腰へのストレスが増大してしまいますので、胸元の柔軟性は腰痛に起因していると言えます。


それだけでなく、胸元の筋肉が硬くなってしまっている場合、胸元の上の方へと空気が入りなくなってしまうので、頭を前に出したり、顎を挙げたままの状態で呼吸しがちです。

これは、背中を反らす働きに繋がってしまうため、腰痛のリスクを高める可能性があります。

胸元の柔軟性をつけることは、肩の内巻きなどの猫背を矯正するのみではなく、腰への負担を減らし、腰痛の原因を解消する一つの手段になります。


 

胸元の柔軟性向上、呼吸エクササイズ

 

それでは、胸元の柔軟性向上、呼吸エクササイズをお伝えしていきます。

【エクササイズ】
ベリーリフト

【目的】

胸元、肋骨の柔軟性を付ける、肋骨を横に広げる感覚を身につけて、猫背の矯正、腰痛の改善を促す。


【やり方】
①四つ這いになります。
正しい四つ這いは腕と膝が床に対して垂直となります。
②下記のダンゴムシ呼吸と同じように頭の方から背骨1つ1つを丸めていきます。
③軽く腹筋を感じるように、みぞおちとおへその部分を天井に突き上げ
て丸めます。
④下にある肋骨が前に飛び出さないように呼吸していきましょう。





【エクササイズ】
ダンゴムシ呼吸

【目的】
胸元、肋骨の柔軟性を付ける、肋骨を横に広げる感覚を身につけて、腰痛の改善を促す。

【やり方】

①まず、正座をしましょう。両肘を地面につき、ダンゴムシのように体を丸めます。
②みぞおち、おへその部分を天井に突き上げるように体全体をきれいに丸めていきます。
③肩や首に力が入らないように、軽く脇でタオルを挟むようにして肘で地面を押し、さらに丸めます。
④背中に空気が入るイメージで呼吸していきましょう。
 


【エクササイズ】
ソラシックツイスト

【目的】
胸元の柔軟性を付ける

【動画】
http://www.youtube.com/watch?v=My2iLdutcdE

【やり方】
横向きで寝て両手を体の前で揃えます。(耳、肩、足の付根が一直線になるようにし膝は少し曲げます)
上の手が身体の遠くを通るようにして、息を吐きながら胸を大きく開いていきます。(指先を目線でしっかりと追います)
この時、手首を返すとより二の腕から前腕がストレッチされます。(この時は目線は正面に残したまま行います)

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

ポケットに手を入れたまま歩くだけで
、胸元の筋肉が硬くなり、肩が内側に入った猫背になるだけでなく、腰痛を引き起こす原因ともなり得るのです。

手を大きく振ることで、胸元がたくさん動き、柔軟性は自然と出てきやすくなります。

寒い冬は、しっかりと手袋をして、大きく手を振って歩きましょう。


猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」
戸井口啓太

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