猫背の矯正と腰痛の改善 ~柔軟性や呼吸と腰痛の関連性~

投稿日時:2018/03/01(木) 19:17

皆さんは「肩の内巻き」を気にしたことはありますか?

肩が内側に入ることで、背中が丸まった猫背になりやすくなり、呼吸もしづらくなってしまいます。


これは、胸元の筋肉が硬くなっているために起こってしまっている可能性があります。

そして、胸元の筋肉が硬くなり、肩が内側に入った、いわゆる「猫背」といった姿勢も腰痛を引き起こしてしまう原因となり得るのです。

今回は、胸元の骨や筋肉の構造から、正しい呼吸の仕方と腰痛を改善するための方法をお伝えしていきます。


 

目次



・胸元の構造(骨)
・胸元の構造(筋肉)
・呼吸の順番
胸元の筋肉の柔軟性が及ぼす腰痛への影響
・腹筋と腰痛
・腹筋の働き
・腰痛改善エクササイズ
・まとめ


 

胸元の構造(骨)



まずは、胸元の筋肉や骨がどのような構造をしているのか、その部分についてお話していきます。

胸元には大きく分類して3つの骨から形成されており、胸骨、胸椎(きょうつい)、肋骨から成り立っています。

まずは胸骨についてです。

胸骨とは、胸元にある中心の骨になります。






この胸骨はさらに3つに分類することができ、上から胸骨柄(きょうこつへい)、胸骨体(きょうこつたい)、剣状突起(けんじょうとっき)の3つから構成されています。

この中心にある胸骨から肋骨(正確には「肋軟骨(ろくなんこつ)」)が背中にかけてくっついています。

よく心臓マッサージなどをする際には、この部分を下に強く圧迫します。

この「剣状突起」の下には肺があり、剣状突起を強く圧迫して心臓マッサージをしてしまうと、剣状突起が折れて肺に突き刺さる可能性があるので注意です。

次に胸椎(きょうつい)の構造につきまして、ご説明していきます。

胸骨に対して、背面にある背骨の部分を胸椎と言います。





胸椎は背骨(脊柱:"せきちゅう"とも言います)の一部分であり、より丸まりの強くなっている部分です。

通常この部分が過剰に丸まることによって「猫背」になってしまう方が多いのですが、胸椎の部位によっても変わってきます。

例えば、首の付け根に近い部分が過剰に丸まっているだけで、そこから下の部分に関してはそこまで丸まっておらず、むしろまっすぐになっている方も多いのです。

通常丸まってほしい部分が丸まれずにいると、そのほかの部分が頑張って丸め、姿勢を維持しなくてはいけなくなります。

すると、腰の部分が過剰に反らなければならなくなったりするのです。

そして、その胸椎と胸骨に付着していて、鳥かごのように周りを覆っている肋骨があります。




この肋骨のおかげで呼吸がスムーズにできたり(正確には肋骨に付着している筋肉のおかげで)、中にある内臓を守ったりできるのです。



 

胸元の構造(筋肉)



では、上述の肋骨、胸骨、胸椎にはどのような筋肉がついているのでしょうか?

非常にたくさんの筋肉がついていますので、今回は主要な筋肉についてお話していきたいと思います。

まず代表的なのが「大胸筋」です。





「一度はあんな胸筋になりたい・・・」と思われる男性もいらっしゃったのではないでしょうか?

通常、腕立て伏せなどでメインに鍛えることができる部位がこの筋肉です。

この筋肉は、腕の骨から肋骨、そして胸骨にかけてくっついており、強く働くと腕を体の前方に移動させたり、胸椎を過剰に丸めて背中を丸めてしまいます。

非常に重要な筋肉ですが、この筋肉が過剰に働きすぎると、背中の丸まった「猫背」になり兼ねないのです。

その胸元からさらに奥に「小胸筋」という筋肉が存在します。




なかなかお聞きにならない方も多いと思うのですが、この筋肉が硬くなることで、肩の位置を内側に入れてしまったり、首の付け根を過剰に丸めることで猫背を作ってしまうのです。



 

呼吸の順番



胸元の筋肉の硬さが原因で呼吸がしづらくなる、はたまた、腰痛を引き起こしてしまう、という事をお伝えしていく前に「正しい呼吸の仕方」について先にお伝えしていきます。


呼吸には種類があり、順番もあるのですが、どの呼吸をメインに行っているかによって姿勢が変化してしまったり、腰痛の可能性まで出てきてしまうのです。


お腹
下の肋骨が横に膨らむ
それより上の前方についている肋骨(胸元)が膨らむ
さらに上の鎖骨付近が膨らむ

上記
4つの順番で膨らんでいくのが正しい呼吸の順番と言われています。

例えば、息を吸ったときにお腹が凹み、主として胸元を膨らませるような胸式呼吸がメインとなってしまっている場合、腰や胸の背骨は全体的に反ったような状態になりやすく、お腹の筋肉をうまく使うことができなくなります。


また、お腹の部分は腰、お腹の横も含め、本来は360度きれいに膨らんでいきます。

ペットボトルを想像してみましょう。中身の入っていないペットボトルがあります。このペットボトルがペコっと凹んでしまったまま蓋をされていると、簡単に捻ることができてしまいます。

これとは反対に、
360度きれいに円形を保ったまま蓋をされたペットボトルは、そう簡単に捻ることはできません。

お腹もこれと同じ原理で、お腹が凹んだままの状態で体を捻るなどの動きを行うと、本来あまり回ってはいけない腰の骨が過剰に回ることによって過剰なストレスを受けます。

反対にしっかりとお腹、お腹の横、背中まで
360度に膨らんだお腹の部分は腰の骨を安定させ、捻れ等の動きに対してのストレスを緩和してくれるのです。

よって、お腹が凹み、胸を引き上げてお腹の筋肉をうまく使えなくなるような呼吸ではなく、お腹、胸の順番でお腹周りが360度に膨らむような呼吸が重要となるのです。

上記の正しい呼吸の順番でうまく呼吸するために重要となってくることがあります。まず、下にある肋骨が前方に飛び出さないように気を付けなければなりません。





上記のように、肋骨が前方に飛び出すように息を吸ってしまうと、常に息を吸った状態が続いてしまい、背中など体の背面に空気が入りにくくなってしまいます。

お腹周りを安定させ、猫背を矯正することで腰への過剰なストレスから回避できるようにするため、肋骨が前方に飛び出すように息を吸わないようにします。

基本的に肋骨の下側の部分は、横に広がるのが正しい動きとなりますので、前方に飛び出さないよう静かに息を吸うように気を付けましょう。


 

胸元の筋肉の柔軟性が及ぼす腰痛への影響

 

この胸元の筋肉が硬くなってしまうとどうなるか。
 

胸元の筋肉が硬くなってしまうと、背中でも特に胸椎の上の方の丸みが増し、首の付け根あたりまで丸くなってしまう可能性が高くなります。

人間の背骨は腰の骨(腰椎と言います)が少し反り、胸椎が丸まるというS字の構造となっています。





首の付け根(頸椎と言います)や胸椎の上の方が過剰に丸まってしまうと、代わりに元々反っている腰椎が頑張って過剰に反って重心を取らなければならなくなります。

腰の部分が過剰に反ってしまうことによって、腰へのストレスが増大してしまいますので、胸元の柔軟性は腰痛に起因していると言えます。


それだけでなく、胸元の筋肉が硬くなってしまっている場合、胸元の上の方へと空気が入らなくなってしまうので、頭を前に出したり、顎を挙げたままの状態で呼吸しがちです。

これは、背中を反らす働きに繋がってしまうため、腰痛のリスクを高める可能性があります。

胸元の柔軟性をつけることは、肩の内巻きなどの猫背を矯正するのみではなく、腰への負担を減らし、腰痛の原因を解消する一つの手段になります。



 

腹筋と腰痛



それでは、実際に胸元の筋肉が硬くなっていることにより、胸の背骨が丸まり、腰の背骨も過剰に反ることで腰痛の原因になり得ることがわかりました。

実際に、腰が反っている場合にはどのような筋肉が弱くなっているのでしょうか?

実は、腰が反ることにより腹筋が弱くなっている可能性があるのです。

腹筋は猫背を矯正してきれいな姿勢を作るためにも、腰痛を引き起こさないように動くためにも重要な筋肉となります。

そもそも、腹筋はどこについているのか、そのご紹介からしていきたいと思います。

お腹の筋肉は姿勢の土台と言われている骨盤から肋骨にかけてくっついています。





このお腹の筋肉は、一つの筋肉で構成されているのではなく、4つの筋肉から構成されています。
 
一つ目の筋肉が「腹直筋」と言われ、最も表層に浮き出ている筋肉です。
 
ボクサーの方など、チョコレートのように割れている腹筋の部分のことです。
 
この筋肉は肋骨から骨盤の下にある「恥骨(ちこつ)」という部分にかけてついています。
 
体を丸めたり、骨盤を後ろに傾け(後傾)、腰の反りを減少させる働きを持っています。
 
次に、「外腹斜筋」と言われるお腹の横にくっついている筋肉です。

 

 

腹直筋と同様、肋骨から骨盤にかけてくっついています。
 
働きとしても、体(体幹部分)を曲げる働きを行い、腰の反りを減少させるのに使われたりします。
 
また、息を吐く際にくっついている肋骨の部分を下に引き下げる働きも補助します。
 
この筋肉は、お腹を反対側へ捻ったりするときに使われる筋肉です。
例えば、右から左にかけて体を捻っていくときには、右の外腹斜筋が使われます。
 
くびれなどを作る際にこの筋肉を使うことが多いです。
 
そして、外腹斜筋と同様にお腹の横についている「内腹斜筋」という筋肉が存在します。

 

 

この筋肉も腹直筋、外腹斜筋と同様に体幹を曲げて体を丸める働きがあります。
 
また、外腹斜筋は反対側へ体を捻る働きを持っていましたが、内腹斜筋は同側へ体を捻る働きを持ちます。
 
そして、最後に、お腹の筋肉でも最も奥に存在する「腹横筋」という筋肉です。
 

 
この筋肉も肋骨から骨盤にかけてくっついているのですが、背中の後ろ側にまで付着しています。
 
この筋肉は、上記3つの筋肉と違い、体幹を丸めて体を丸めるように働くのではなく、お腹の圧を高めてお腹、背中周りを安定させる働きを持っています。
 

 

腹筋の働き




上述のように、お腹の筋肉は主に「体幹を丸める、腰の反りを減少させる」働きを持っているものが多いのですが、お腹周りの圧を高めて体を安定させることが、お腹にある筋肉の最も大きな役割となります。
 
お腹の圧は「腹圧」と言われ、腹圧が高ければ高いほど体は安定し、腰へのストレスはかかりにくくなります。
 
先程の肋骨のお話と同様ですが、360度しっかりと膨らむことで腰周りを安定させ、腰へのストレスを軽減します。

この360度膨らんだままの状態が「腹圧」になるのです。

これら4つの筋肉をうまく使い、腹圧を維持することで、しっかりと腰周りを安定させることができ、猫背を矯正できるのみではなく、腰痛が減少する可能性があります。

特に腹横筋は、「インナーマッスル」と言われるお腹の奥にある筋肉の一つで、猫背の矯正、腰痛改善には非常に重要となります。
 
この筋肉をうまく使えるようになることで、お腹周りを安定させて腰への負担を減らすだけでなく、姿勢をきれいに保ちやすくなります。
 
例えば、最も表層にある腹直筋ばかりが働いてしまうと、お腹の反対側にある背中の筋肉も対抗して硬くなってしまうのです。
 
ですので、腰痛を軽減するためにも、猫背を矯正して姿勢をよりきれいに保つためにも、お腹の奥にあるインナーマッスルをうまく使えるようにしていきましょう。



 

腰痛改善エクササイズ



それでは、胸元の柔軟性を向上させるエクササイズ、正しい呼吸を行うためのエクササイズ、そして、腹筋を強化するエクササイズをご紹介していきます。

(1)胸元の柔軟性向上のエクササイズ

【エクササイズ】
ソラシックツイスト

【目的】
胸元の柔軟性を付ける

【動画】
http://www.youtube.com/watch?v=My2iLdutcdE

【やり方】
横向きで寝て両手を体の前で揃えます。(耳、肩、足の付根が一直線になるようにし膝は少し曲げます)
上の手が身体の遠くを通るようにして、息を吐きながら胸を大きく開いていきます。(指先を目線でしっかりと追います)
この時、手首を返すとより二の腕から前腕がストレッチされます。(この時は目線は正面に残したまま行います)


【注意点】
骨盤が動かないように動いていきましょう。


(2)正しい呼吸を行うためのエクササイズ

【エクササイズ】
ベリーリフト

【目的】

胸元、肋骨の柔軟性を付ける、肋骨を横に広げる感覚を身につけて、腰痛の改善を促す。


【やり方】
①四つ這いになります。
正しい四つ這いは腕と膝が床に対して垂直となります。
②下記のダンゴムシ呼吸と同じように頭の方から背骨1つ1つを丸めていきます。
③軽く腹筋を感じるように、みぞおちとおへその部分を天井に突き上げ
て丸めます。
④下にある肋骨が前に飛び出さないように呼吸していきましょう。







【エクササイズ】
ダンゴムシ呼吸

【目的】
胸元、肋骨の柔軟性を付ける、肋骨を横に広げる感覚を身につけて、腰痛の改善を促す。

【やり方】

①まず、正座をしましょう。両肘を地面につき、ダンゴムシのように体を丸めます。
②みぞおち、おへその部分を天井に突き上げるように体全体をきれいに丸めていきます。
③肩や首に力が入らないように、軽く脇でタオルを挟むようにして肘で地面を押し、さらに丸めます。
④背中に空気が入るイメージで呼吸していきましょう。
 



(3)腹筋を強化するエクササイズ

【エクササイズ】
デッドバグ

【動画】
http://www.youtube.com/watch?v=qj4mw5XW7NI
 
【やり方】
仰向けに寝ます。
両手を天井に向かって伸ばし、体に対して90度になるようにします。
足も手と同様に天井に伸ばして90度になるようにしましょう。
 このときに、膝、股関節の両方が90度になるようにします。
腰の隙間を埋めたままで息を吐きながら右手、左足を伸ばしていきます。
伸ばしたその場で息を吸い、再び息を吐きながら最初のポジションに戻します。
反対側も同様に行いましょう。
 
【注意点】
しっかりとお腹の力を使い、両手足はリラックスした状態で動かします。
また、腰の隙間が空いてしまう場合には、手だけ、足だけなど、強度をコントロールして行いましょう。


 

まとめ



今回は、腰痛に関しての情報が盛りだくさんでしたね。

例えば、胸元の部分が硬くても腰痛の可能性は出てきますし、胸元が柔らかくても腹筋が使えていない場合には、腰痛になるリスクも十分に出てきます。

一つの部分のみを切り取ってみてしまうと原因が何かわからなりますので、全体的な姿勢や動きから原因を見つけていくことが重要となります。

呼吸に関してもまだまだ奥が深いので、楽しみにしてください。

 

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