猫背と腰痛 動きと猫背と腰痛 

投稿日時:2018/03/04(日) 12:31


まだまだ寒い日もありますが、もうすぐ春になりますね。
 
ツラい冬を乗り越えて、暖かい春がやってくると少しずつ運動をする人が増えるような気がします。
 
河川敷を走る人が多くなったり、たくさんの人が運動を始められるのがこの時期ではないでしょうか?

さて、運動していない状態からいきなり運動を始めるとどうなるでしょう。

例えば、呼吸がしづらくて首筋が痛くなったり、はたまた肩や股関節を痛めたり、更には腰を痛めてしまうかもしれません。

運動前に行うウォーミングアップも重要ですが、そもそも動きが崩れていると姿勢も崩れ、特定の部分に負荷をかけて運動しているかもしれませんね。

今回は、動きと猫背、そして腰痛の関係性についてお伝えしていこうと思いますが、その中でも特に股関節の動いに着目してお伝えしていきますね。


 

目次

・股関節の構造(骨盤)
・股関節の構造(大腿骨)
・股関節の動き
・股関節の動きに関わる筋肉

・人間の動作と筋肉の作用~腰痛の出やすい動作~

・腰痛改善のためのエクササイズ

・まとめ

 

 

股関節の構造(骨盤)

 


股関節とは、骨盤と言われる姿勢の土台になっている骨と、大腿骨と言われる脚の骨の2つから組み合わされる関節のことを指します。


まずはこの骨盤の構造からお伝えしていきましょう。

骨盤は仙骨と言われる三角形の骨と、その周りを覆っている寛骨という骨から構成されています。





さらに寛骨は、腸骨、坐骨、恥骨の3つに分類されます。


特に抑えていて頂きたい部分は、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく:以下、ASIS)と下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく:以下、PSIS)の2つです。

これら2つが骨盤の動きを見ていくのに一般的には重要となります。

ASISが骨盤の前側、PSISは骨盤の後ろ側と覚えていてください。

ASISとPSISを結んだラインには角度が存在し、一般的には10~15°が適正と言われています。


例えば、ASISがPSISよりも15°以上に傾いている状態を骨盤の前傾(ぜんけい)と言います。





こうすると、腰が反ったような姿勢になりやすいです。

反対に、元々下がっているASISがPSISと同じ高さ程度になる、もしくは、10度以下になる状態を骨盤の後傾(こうけい)と言い、この状態では腰は通常よりも反っていない状態となります。







まずはこの2つの動きを押さえておきましょう。



 

股関節の構造(大腿骨)




股関節を構成しているもう一つの骨、大腿骨(だいたいこつ)についてご説明します。

この骨は、人体の中で最も大きく、そして最も強い骨と言われています。




人間は二足歩行をしますので、大腿骨やその他、脛の骨などを使って立っています。

地球で暮らしていく上で、必ずと言っても良いほどに、人間の体には重力が上からかかります。
それを受け止めるためにより骨盤に近い部分は少し曲がったような形になっているのではないでしょうか?




また、走ったり歩く際の衝撃を吸収するために、人間の大腿骨は少しシナるそうです。

骨というと非常に硬いイメージがありますが、人間の体は上手に作られているのですね!



 

股関節の動き




さて、股関節の構造についてお話しましたが、実際に股関節はどのような時に動いているのでしょうか?

実は、歩く、走る、蹴る、登る、降りるなど、私たち人間が生活していく上でほとんどの動きに股関節が関与しています。

一つずつ分解してみていきましょう。

まずは、体を横から見た時の股関節の動きです。

直立時、大腿骨は地面に垂直な状態となっているのが正しい位置になります。

脚を上に持ち上げるように脚を持ち上げていき、いわゆる「もも上げ」の動作を行いましょう。






これを股関節の「屈曲」と言います。

反対に後ろへ引くような動きを「伸展」と言い、屈曲よりもはるかに行きづらいです。






次は、正面から見た時の動きについて見ていきましょう。

膝も曲げた状態で行いますが、膝が足首よりも内側に行く動きを「内旋」と言います。






この状態で座っている女性も多いですよね。

反対に、膝が足首よりも外側に行く、いわゆるガニ股の状態を「外旋」と言います。






内もも同士をくっつけるように働く動きを股間節の内転(ないてん)と言います。





内ももを引き締めたい方には、是非ともこの筋肉を鍛えて頂きたいですね!

反対に、内ももが離れていく動きを外転(がいてん)と言います。





股関節は、上記のような動きをスムーズに行うためによく動かなければなりません。

そして、このように関節が痛みや傷害が起きない程度に動かすことのできる範囲を可動域と言います。


股関節が硬い=可動域が狭くて動かない、となります。

すると、代わりに腰などの本来あまり動いてはならない場所が過剰に動いてしまい、痛みが出るリスクが高まります。



 

股関節の動きに関わる筋肉




上記のような股関節の動きも、骨単体で行うことはできません。

筋肉を使って人間は骨を動かしています。

では、股関節の動きに関与する主要な筋肉をいくつかご紹介致します。

特に「屈曲」と「伸展」に伴って、内旋・外旋や内転・外転といった動きを行う筋肉が多いので、今回は屈曲・伸展を主にお伝えしていきます。

まずは「屈曲」に関係してくる筋肉です。

もも上げの動作を行うときに必要になる筋肉が挙げられますが、1つ目は大腿四頭筋。





この筋肉は、股関節を屈曲するだけでなく、膝をまっすぐに伸ばす作用があります。

また、同時に骨盤の前傾を生み出す筋肉でもあります。

ボディビルダーの方などはムキムキですね!

次にご紹介するのは、腸腰筋です。





この筋肉も大腿四頭筋と同じように、股関節を屈曲させますが、同時に外旋させる(開く)働きもあります。

次にご紹介するのは、大腿筋膜張筋。





聞き慣れなく、なが~い名前に筋肉ですね。

この筋肉も股関節を屈曲させますが、同時に脚を内側へ回旋させる内旋の動きも行います。

腸腰筋とは反対の作用があるのですね。

そして、最後に内転筋群と言われる内ももの筋肉。





内もものもも筋肉にもいろいろな種類がありますので、すべてをご紹介することはできませんが、これらは主に外に開いた内ももを反対に引き寄せる内転の動きを行います。

次は、「伸展」に関する筋肉をお伝えしていきます。

伸展は、主に後ろへ足を蹴りあげるときの動作になります。

この動作を主に行う筋肉は股関節の後ろ側にくっついています。

代表的な筋肉が「大殿筋」です。





いわゆるお尻の筋肉のことで、腰痛とも非常に大きな関係性を持っています。

スクワットなどの大きな動作の時に主に使ってほしい筋肉で、ヒップアップにも非常に効果的です!





次にご紹介するのは、ハムストリングスという筋肉です。




スポーツをされていた方でしたら、一度はお聞きになったことがあるのではないでしょうか?

「ハム」と呼ばれているのですが、これは3つの筋肉の総称になります。

大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋という3つの筋肉から構成され、それぞれ膝を曲げる働きを持っています。

膝を曲げながらも、大腿二頭筋は大腿骨を外側に回旋(外旋)させます。





半腱様筋と半膜様筋は大腿骨を内側に回旋(内旋)の動きを行います。





ハムストリングスが硬い方は、後ろで骨盤を引っ張ってしまうので、前屈などの動作が苦手かもしれないですね。

さて、「屈曲・伸展」という二つの動きと、それに組み合わせて行われる「内転・外転」「内旋・外旋」の動きを行う筋肉のご紹介でした。

では、実際にこれらの筋肉を使って、人間はどのようにして動いているのでしょうか?



 

人間の動作と筋肉の作用~腰痛の出やすい動作~




我々人間は、日常生活の中で歩く、走る、跳ぶ(ジャンプする)、蹴るなどの様々な動きを、自然と行っています。

今回は特に「股関節」に焦点を絞ってお話をしておりますので、様々な動きを行う上で、股関節がどのように動いているかをお伝えしていきます。

まず、「直立」の姿勢を見ていきます。

人間は直立姿勢時、横から見た時に、外くるぶしの少し前、膝、骨盤、肩、耳の穴が一直線上に並ぶと、一般的に言われるきれいな姿勢であると言われます。





もちろん、一直線上に並んでいる場合でも、背骨の曲がり具合などによって、姿勢は変わってきますので、5つのポイントが揃っていても一概にはきれいな姿勢とは言えない可能性があります。

あくまで、一つの指標としてみて頂けると参考になるかと思います。

例えば、骨盤の位置が前方に移動していて、尚且つ、太もも前にある大腿四頭筋が硬くなっているとします。

大腿四頭筋や大腿筋膜張筋が硬くなっている場合、股関節は「屈曲」した状態となります。

つまり、股関節が少し曲がった状態となるのです。

股関節が屈曲した状態にあると、骨盤からすぐ上に連なっている腰の骨(腰椎)は、





元々反っている状態から、更に強く反ることになります。

これだけで腰へのストレスが増大し、腰痛へと発展する可能性は否めません。

さらに、「歩く」という動きをこれに付け加えて考えてみましょう。

歩くときには片足が前方へ行き、反対足は軸足としての役割を果たすようになります。

これを動作として考えると、前方へ踏み出す方の脚は、股関節の「屈曲」を行い、軸足は「伸展」の動きを行っている
ことになります。





例えば、軸足側の股関節を屈曲(折り曲げる)させる大腿四頭筋が非常に硬い場合には、軸足側の股関節の「伸展(脚を後ろへ蹴り出す動き)」が制限されます。

同時に、伸展の動きができないという事は、伸展を行う「大殿筋」等のお尻の筋肉をうまく使えていないことになります。

ただ、人間は足を後ろへ蹴り出さなければ前方へと進めませんので、代わりに腰を頑張って反らすことによって、脚を蹴り出すという動きを行うようになります。

つまり、歩くたびにたくさん腰を反らす動きを行うことになり、その分だけ腰へのストレスは蓄積していきます。

これがランニングとなるとさらに大変なことになります。

文献によって違ってきますが、ランニング時にかかる着地での衝撃は、4~5倍になると言われています。

体重60㎏の人がランニングをした場合にかかる足への衝撃は240~300㎏という事になります。

もちろん、衝撃を一番最初に受けるのは足(足部)なわけですが、地面からの反発をもらって動くことができるので、当然、腰への影響も多大なるものとなるわけです。

よって、上述のように脚を後ろへ蹴り出す伸展の動きができないままでランニングをすると、腰への負担も相当なものとなり、腰痛発生の原因となってしまうのです。


 

腰痛改善のためのエクササイズ




ある部分が過剰に硬くなっていると、本来行ってほしい動きが制限されてしまいますので、腰痛へと繋がる可能性が高くなります。

可動域をしっかりと出して、適切な動きができる範囲を獲得することが腰痛改善への第1のステップとなるのです。

それでは、今回も腰痛改善のためのエクササイズをお伝えしていきます。

今は腰痛がないという方も、例えば、ランニング前に軽く行うだけで「腰痛予防」になるかもしれません。

腰痛にならないためには、それまでの事前準備が重要なのです。

是非、実践されることをオススメ致します。


【エクササイズ①】
プレッツェル

【目的】
股関節の屈曲を行う筋肉を柔らかくして、脚を後ろへ蹴り出す「伸展」の動きを出しやすくする

【やり方】
横向きに寝ます(枕を入れましょう)

上側の足を前方に、膝が90度になるようにおき、下側の手で膝裏を押さえます
③下側の足の膝を曲げ、上側の手で足の甲を掴みます
④呼吸しながら上の胸を開きます
⑤60秒キープします


【エクササイズ②】
ランバーローテーション

【目的】
股関節の内側、外側への動き動作を行い、柔らかく股関節を動かせるようにする。

【やり方】
仰向けに寝ます。
膝をそろえ、膝を曲げた状態で左右に倒していきます。
肩が床から離れないようにくっつけておきましょう。
片脚を伸ばし、お尻・もも裏・ふくらはぎのストレッチも行います。
⑤反対側も行いましょう。
※足を肩幅に開いて左右に倒していくことで、股関節の内旋・外旋の動きを出すこともできます。

【動画】https://www.youtube.com/watch?v=9K8G259zXO0


 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

股関節にもたくさんの動きがあり、どこかが動かないだけで腰痛のリスクが上がってしまいます。

ランニング、ジョギング、ウォーキング等、ハードなものから日常生活に近いものまで様々な運動がありますが、普段からいろんな股関節の動きを出せるようにしておくと、腰痛予防にもなりますし、改善へと繋がることも大いにあり得ます。

少しずつでも実践してみてくださいね。