猫背の矯正と腰痛の改善 ~動きと猫背と腰痛と~

投稿日時:2018/03/25(日) 11:38


4月も中旬となり、暖かい日も多くなってまいりました。
 
夏に向けて着々と準備を進め、運動されていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
男ならみんな大好き大胸筋。
 
腕立て伏せなどでパンパンに膨れ上がった胸元や腕を自慢。
 
これも男のロマンかもしれませんね。
 
さて、張り切って鍛えすぎ、胸元の筋肉が硬くなってしまうことで、肩や頭が前に行ってしまう、いわゆる「猫背」になる可能性があります。
 
そして、この猫背の姿勢で動く、運動することによって腰痛の可能性も出てくるのです。
 
そこで今回も、動きと猫背、それらに関する腰痛の原因第2弾についてお伝えしていこうと思います。
 
 
 

目次

 
姿勢と構造
胸元の構造(胸郭)
胸元の構造(上腕骨)
胸元の構造(肩甲骨)
胸元の構造(鎖骨)

胸元の動き
胸元の動きに関与する筋肉
胸元の動きの制限と腰痛
腰痛改善エクササイズ
まとめ
 

 

姿勢と構造

 
さて、何度かご紹介させて頂いておりますが、まずは体の全体的な構造について見ていきましょう。


 

こちらは横から見た時の姿勢です。
 
下からくるぶしの少し前、膝、骨盤、肩、耳の穴が一直線上にくるときれいな姿勢と言われています。
 
また、ただ単にポイントが一直線上に来るだけでなく、背骨などの曲がり具合なども重要になってきます。


 



背骨は下から、尾椎(びつい)、仙椎(せんつい)、腰椎(ようつい)、胸椎(きょうつい)、頸椎(けいつい)の5つに分かれており、きれいなS字のカーブを描いています。
 
例えば、腰椎と言われる腰の部分に関しましては反るような構造になっており、その少し上にある胸椎は前に丸まった形をしています。
  
骨盤の位置や股関節、胸元の筋肉の硬さや腹筋の弱さによって、このきれいなS字のカーブが変化し、猫背にもなり、腰痛の可能性も出てきてしまうのです。
 
 
 

胸元の構造(胸郭)

 
さて、先程胸元の筋肉の硬さのお話をしました。
 
そもそも、胸元の構造はどのようになっているのでしょうか?
 
今回、最初にご紹介していくのは、胸郭(きょうかく)と言われる胸元の構造についてです。
 
胸郭は、胸骨(きょうこつ)、胸骨柄(きょうこつへい)、肋骨の3つから構成されています。
 
 
まずは胸骨についてです。

胸骨とは、胸元にある中心の骨になります。






この胸骨はさらに3つに分類することができ、上から胸骨柄(きょうこつへい)、胸骨体(きょうこつたい)、剣状突起(けんじょうとっき)の3つから構成されています。

この中心にある胸骨から肋骨(正確には「肋軟骨(ろくなんこつ)」)が背中にかけてくっついています。

よく心臓マッサージなどをする際には、この部分を下に強く圧迫します。

この「剣状突起」の下には肺があり、剣状突起を強く圧迫して心臓マッサージをしてしまうと、剣状突起が折れて肺に突き刺さる可能性があるので注意です。

次に胸椎(きょうつい)の構造につきまして、ご説明していきます。

胸骨に対して、背面にある背骨の部分を胸椎と言います。





胸椎は背骨(脊柱:"せきちゅう"とも言います)の一部分であり、より丸まりの強くなっている部分です。

通常この部分が過剰に丸まることによって「猫背」になってしまう方が多いのですが、胸椎の部位によっても変わってきます。

例えば、首の付け根に近い部分が過剰に丸まっているだけで、そこから下の部分に関してはそこまで丸まっておらず、むしろまっすぐになっている方も多いのです。

通常丸まってほしい部分が丸まれずにいると、そのほかの部分が頑張って丸め、姿勢を維持しなくてはいけなくなります。

すると、腰の部分が過剰に反らなければならなくなったりするのです。

そして、その胸椎と胸骨に付着していて、鳥かごのように周りを覆っている肋骨があります。




この肋骨のおかげで呼吸がスムーズにできたり(正確には肋骨に付着している筋肉のおかげで)、中にある内臓を守ったりできるのです。


 

胸元の構造(上腕骨)




胸元の動きに関わる骨として、上腕骨と言われる腕の骨があります。



この上腕骨は、いわゆる腕の骨であり、後にご紹介する肩甲骨や鎖骨と一緒に動きます。

上腕二頭筋という力こぶを作る筋肉がこの上腕骨にくっついています。


 

胸元の構造(肩甲骨)



さて、上記の胸郭の中の肋骨には、肩甲骨と言われる羽のような骨が2つ付いております。





お聞きになった方も多いのではないでしょうか?

実は、この肩甲骨も胸元の運動には非常に重要なのです。

肩甲骨は肋骨にペタッと張り付くようにくっついていて、骨と骨をはめ込んでいるわけではないので、たくさん動かすことができます。


むしろ、この肩甲骨があまり動かなくなることによって、猫背になることもあれば、肩の痛みを訴える方もいらっしゃいます。

腕を上げたり、回したりする動作を行う際には必ず肩甲骨も一緒に動くことになります。

 

胸元の構造(鎖骨)



最後に鎖骨です。

人間には鎖骨と言われる出っ張った骨が前側にあります。






鎖骨を骨折した等、よく耳にされたことがあると思いますが、この骨も腕を上げたり動かす際には非常に重要な働きをします。

鎖骨は先程ご紹介の肩甲骨と胸骨柄へと付着しています。


 

胸元の動き



それでは、前述の胸郭、上腕骨、肩甲骨、鎖骨の動きに関してです。

胸郭は非常に複雑な動きをしますので、まずは先に上腕骨の動きからお伝えしていきますね。

上腕骨、いわゆる腕の骨は、腕を上に上げる屈曲、腕を後方へ引く伸展





腕を外側へ開いていく外転、腕を体の内側に近づけていく内転



ドライバーのように外側に回す外旋、そして、内側へ回す内旋






と上記のようなたくさんの動きを行います。





次に肩甲骨です。





肩甲骨は肋骨の上を滑るように動いていきます。

まずは、肩甲骨全体が肋骨の上の方へと移動する挙上、反対に肋骨の下側へと下がっていく下制(かせい)、背骨から外側に離れていく外転、背骨の内側へと寄っていく内転という動きがあります。





そのほかにも非常に重要な働きとして、肩甲骨の下の出っ張り(下角:”かかく”といいます)が背骨から外側に向かいながら上方へ上がっていく上方回旋、反対に背骨に寄りながら下方へ移動してくる動きを下方回旋と言います。


つづいて、鎖骨の動きについてです。

鎖骨って動くの?と思われる方も多いとは思いますが、鎖骨も立派に動いてくれなくてはならない骨の一つなのです。

前述のとおり、鎖骨は胸骨柄と肩甲骨へと付着しています。

胸骨柄側と肩甲骨側の双方が動くことが可能ですが、基本的には肩甲骨側がたくさん動きます。

先程の上腕骨を屈曲(腕を上に上げる動作)する際には、鎖骨の肩甲骨側も一緒に挙上します。

同時に、鎖骨はドライバーを回すように上へ回旋(上方回旋)します。

上腕骨が伸展(腕を後ろへと振り上げる動作)して腕が下に下がる際には、鎖骨も一緒に下制して下に下がります。

それと同時に、鎖骨はドライバーのように下の方へと回旋(下方回旋)します。





また、腕を前に出して物を取るような動作を行う際には、前方牽引(ぜんぽうけんいん)と言って、鎖骨そのものも前方に移動していきます。

反対に後方へと腕を持っていく場合には、鎖骨も後方へと移動する後退(こうたい)という動きを行います。



では、最後に複雑な胸郭の動きについてお話していきます。

今回は、ある程度簡単にご覧頂ければと思います。

まずは肋骨の動きについてお話していきます。

鳥かごのように内臓などを覆っている肋骨は、呼吸をするたびに膨らんだりしぼんだりします。

例えば、息を吸ったときには肋骨と肋骨の間の(肋間:ろっかんと言います)が広がっていき、息を吐くときには肋間が狭まっていきます。

そして、この広がり方も下と上の肋骨で違ってくるのです。

下にある肋骨は息を吸ったときに横に広がっていきます。



反対に、上部にある肋骨は、息を吸ったときに前方へと拡張します。




例えば、本来であれば横に広がってほしいはずの下の肋骨が前方に飛び出すように呼吸していると






上記のように肋骨が前方へスライドしてしまい、背骨が全体的に反るような形を取ります。

前方へ肋骨がスライドすることで、胸椎や腰椎が反る形になり、お腹の筋肉をうまく使えなくなってしまいます。

その分だけ、歩いたり走る動きを行うときに胸椎、腰椎への負担が増大し、腰痛へと発展してしまう可能性があるのです。

胸郭は呼吸が関係するために複雑な動きを行いますが、少しずつお伝えしていきますね。

 

胸元の動きに関与する筋肉

 

では、肩甲骨や上腕骨といった腕の骨などの動きをお伝えしていきましたが、それらの骨は単体で動くわけではありません。


例えば、前方に腕を押し出すような動きをする際には、上腕骨は前に押し出されるように水平内転していきますが、この際には鎖骨も前方牽引という動きを行い、一緒に前に移動するのです。

同時に、肩甲骨も中心の背骨から離れていく外転という動きを行います。

この動きに関与するのが、みんな大好き大胸筋(だいきょうきん)という筋肉が代表的ですね。





腕立て伏せを行うことで、この大胸筋をうまく使うことができ、胸元のパンプアップも行うこともできます。

ただ、この筋肉が過剰に働きすぎることで肩が内巻きに入ってしまい、いわゆる「猫背」になってしまいます。

同時に、腕を前方へ押し出すような筋肉には前鋸筋(ぜんきょきん)という筋肉もあります。






なかなかお聞きにならないのではないでしょうか?

この前鋸筋は、効率の良い腕の上げ下げを行うのみではなく、猫背を矯正して良い姿勢の維持、更には腰痛にも関わっている可能性もあります。

上記の大胸筋や前鋸筋に対抗している筋肉として、僧帽筋(そうぼうきん)と言われる筋肉があります。





ボディビルダーの方々は、よく鍛えていらっしゃいますね!

僧帽筋は上、中、下の3つの部位に分かれていますが、いわゆる肩甲骨を内側に寄せて背骨に近づける働きを行います。

また、僧帽筋の上の部位は肩をすくませるような動きも行います。

僧帽筋の上の部分により、肩がすくむような動きを多く行ってしまうことで、肩こり、首こりへと発展してしまうかもしれませんね。

続いて重要になってくる筋肉が広背筋(こうはいきん)と言われる筋肉です。







懸垂運動は、この筋肉をメインに使って行っているのです。





広背筋は、背中側から上腕骨にかけてくっついているため、胸元の動きにも関与します。

主に腰を反らせる動きも行いますが、腕を内側に入れて内巻き肩の猫背を作ってしまう筋肉の一つです。

特に、この筋肉は過剰に働きやすい筋肉の一つになっていますので、肩の内巻きや反り腰を作らないためにも、広背筋のストレッチなどが必要な方も多いです。

この広背筋に対抗する筋肉に、非常に重要な筋肉が4つほど、肩甲骨からくっついています。

①棘上筋
②棘下筋
③小円筋
④肩甲下筋

これらの筋肉は全て、肩甲骨から腕(上腕骨)にかけてくっついていますので、肩甲骨と上腕骨の距離を近づけることで安定させる働きを持ちます。




4つ全てを総称して、ローテーターカフ筋群と言います。




これらは腕を外側に捻ったり、内側に捻ったりすることも行いますが、最も重要な役割は上述のように、肩甲骨と上腕骨の距離を近づけて、肩回りを安定させることにあります。
 

胸元の動きの制限と腰痛


様々な種類の筋肉をご紹介しましたが、上記の筋肉は、どれも単体で動くわけではありません。

例えば、「歩行」、歩くという動きを考えてみましょう。

歩くときには左右で別々の動きを行いますよね?

右手と左足が前に出た場合には、左手と右足は後ろへ引く動きを行うはずです。

兵隊さんのように右手と右足を意図的に動かすような動きは除きますが、基本的には右手と左足、左手と右足がセットで動きます。

この動きが何度も繰り返されることで「歩行」という歩く動きへと繋がります。

例えば、胸元にある大胸筋が硬くなっている場合、上腕骨は前方への動きが大きくなります。

すると、上腕骨は後ろへ引く「伸展」という動きを行うことができなくなります。

肩が内側に入りやすくなる動きを繰り返すことで、肩が内巻きになり、背中が丸まって猫背が完成します。

肩が内側にくれば来るほど、背中の丸みは増し、同時に腰の反りは強くなります。







腰の反りが強くなる分だけ腰への負担は強くなるため、腰痛の原因になり得ると考えられます。

更に、広背筋という筋肉を考えてみましょう。

広背筋は、背中側から上腕骨にかけてくっつている非常に大きな筋肉で、過剰に働きやすい筋肉の代表例です。

上腕骨を内側へ入れる「内旋」という動きも行いますが、同時に腰を反らせてしまいます。

腰を反らせながら肩を内側へ入れることで、猫背姿勢を作りながらも腰への負担を倍増させています。

そして、広背筋が過剰に働くことで、肩甲骨と上腕骨の距離を離してしまいます。







肩の安定性が保たれないばかりか、肩が内側に入ったように見え、同時に肩が前方へとずれてしまいます。

肩を安定させた状態で歩き、連鎖で起こる腰への負担を減少させるためにも、肩甲骨と上腕骨を近づけて安定させるロテーターカフ筋群が重要なのです。

広背筋、まだまだ続きます。

広背筋が過剰に働くことで、背中全体が反る形になってしまうため、肋骨が前方に飛び出したままの状態で呼吸をしやすくなってしまいます。

肋骨が前方へ飛び出した状態というのは、背骨と肋骨の間を繋げている関節がハマりこんで、いわゆる「ロックされた」状態となっているため、動くことができません。

歩行という動きを考えた時に、肋骨は上腕骨と一緒に回旋という動きを行います。





右手と左足が前方へ出るときには、右の肋骨が中に入り込み、左の肋骨は外側へ開く動きを行います。

同時に、左側に回旋する動きを行うのです。

肋骨と背骨の関節がロックされたままの状態だと、回旋の動きが非常に出づらくなりますが、それでも歩かなければならないため、本来動いてほしくない腰周りの骨(腰椎)や筋肉が過剰に働く、動くことになります。

お察しの通り、その分だけ腰への負担が来て、腰痛へと発展してしまうのです。

胸元の筋肉の硬さや動きが腰痛へと発展する理由はまさに様々です。

まとめますと、

①肋骨が前方に飛び出さないようにするために、「広背筋」が硬いときにはストレッチして柔らかくしておく
②肩の内巻きが出てくると、その分だけ胸の背骨が丸まり、腰の背骨は反ってくるため、「大胸筋」などの肩の内巻きを作る筋肉が硬い場合にはストレッチなどを行う

上記のような取り組みが重要になります。

その上で、腕をたくさん振って歩くことで、肋骨や肩甲骨、上腕骨といった様々な筋肉をできるだけ動かしていくことが腰痛改善のためにも、腰痛を予防するためにも重要になります。

 

腰痛改善エクササイズ



それでは、胸元の硬さからくる腰痛に対して、改善するためのエクササイズをお伝えしていきます。


『ソラシックツイスト』
【目的】
胸の背骨の柔軟性の向上・胸の筋肉のストレッチ

動画】
http://www.youtube.com/watch?v=My2iLdutcdE
【やり方】
①横向きで寝て両手を体の前で揃えます。(耳、肩、足の付根が一直線になるようにし膝は少し曲げます)

上の手が身体の遠くを通るようにして、息を吐きながら胸を大きく開いていきます。(指先を目線でしっかりと追います)
この時、手首を返すとより二の腕から前腕がストレッチされます。(この時は目線は正面に残したまま行います)





『フォースタンスストレッチ』
【目的】
上半身の筋肉の柔軟性、臀部の柔軟性

【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=3dBxiuULZ3Y
【やり方】

・四つ這いになり、骨盤はニュートラルを保ちます
・右手の前に左手をつきます。
・骨盤はニュートラルをたもったままお尻を後ろに引き、尻から背中にかけてストレッチを感じます

・脇腹の筋肉の伸びを感じることができればOKです




『ベリーリフト』
【目的】
腹筋の強化、背中の柔軟性の獲得
【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=2xY-a9b6hFM
【やり方】

・四つ這いなります
・両手で地面しっかりと押しながら、背中を天井近づけるよう丸めます
・鼻から息を吸い背中の広がりを感じます
・口から息を最後まで吐き出します
・5回ほど呼吸して元の姿勢に戻ります

 

まとめ



いかがでしたでしょうか?

胸元の筋肉の硬さ=猫背=腰痛の可能性は十分にあります。

鍛えることは重要ですが、普段からストレッチを行ってみるのも良いかもしれませんね。

それでは、次回もご期待くださいませ。

 
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