猫背に関わる症状と改善方法

猫背と逆流性食道炎の関係

こんにちは。

猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」の中北です。

本日は「猫背と逆流性食道炎」についてお話いたします。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流することにより、胸焼け・ゲップ・酸っぱいものが込み上げてくるような症状が起こる疾患の総称です。

胃液は強い酸性のため、食道に逆流すると食道の粘膜を刺激することで上記のような症状が生じます。

逆流性食道炎の原因として、食道と胃の境目となる“下部食道括約筋”の筋力低下があげられます。下部食道括約筋は、胃液の逆流を防ぐ重要な役割がありますが、加齢に伴い筋力が低下することで胃の内容物が食道に戻ってきてしまうため、高齢者に起こりやすい疾患ですが最近は若年者にも増えてきています。

実は、この下部食道括約筋の活動に“横隔膜”という姿勢維持筋が関与します。

横隔膜の食道括約筋としての機能

横隔膜とはどのような筋肉なのかを簡単に確認しておきましょう。

上図のように横隔膜は「下の方の肋骨」「みぞおちの辺り」「腰椎」にドーム状に付着しています。

横隔膜の主な役割は3つです。

  • 呼吸筋(安静時吸息活動の70~80%を担う)
  • 姿勢維持筋
  • 下部食道括約筋

以上のように、呼吸や姿勢維持だけではなく、「下部食道括約筋」としての役割も担っていますので、横隔膜の機能が低下をすると、食道を適切に締める事が出来なくなり、胃の内容物が食道に逆流をしてしまうことが考えられますので、逆流性食道炎にも関与することが分かります。

猫背と横隔膜と逆流性食道炎

それでは、猫背姿勢と横隔膜の機能の関係を確認していきましょう。

まず、筋肉には「最適な長さ」というものが存在し、最適な長さから変化をしてしまうと、筋肉は本来の力を発揮しにくくなります。

 そして、横隔膜の最適な長さを考える上で大切な事として、肋骨の形状が挙げられます。なぜかと言うと、横隔膜は肋骨の内側に付いていますので、肋骨の形状が変化をすると、横隔膜の形状や長さも変化!

 その為、横隔膜は姿勢の影響を大きく受けることとなりますが、猫背になると肋骨が開きやすくなるので、横隔膜も前や外側に引っ張られ、本来の長さから変化をすることで、上手く働かなくなってしまいます。

 

肋骨

 

猫背になる → 肋骨の形状が変化 → 肋骨に付着する横隔膜の長さが変化 → 横隔膜の機能が低下 → 食道を適切に締めることが出来なくなり、胃液が食道へ逆流しやすくなる

といった感じですね

その為、間接的に猫背と逆流性食道炎が関わってくると考えられます

肋骨を本来のポジションに改善するカールアップ

 それでは、開いてしまった肋骨を本来のポジションに戻し、横隔膜の機能を維持・改善するために効果的なエクササイズ2つをご紹介いたします。

はじめにご紹介するのは『カールアップ』というエクササイズです。

※足は床でもOKです。

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~エクササイズのやり方~

①両膝を立てて腰と床の隙間を埋めます

②息を吐きながら両手を膝の方へ伸ばしていき、肩甲骨まで背中を丸めていきます。

③上半身を丸めた状態で2回~3回呼吸を繰り返し、元に戻りましょう。

④5~10回繰り返してください。

☆エクササイズのポイント☆

※アゴの下は拳1個分の隙間を保ちましょう。

※しっかりと腰を床に押し付けて行いましょう。

※首の後ろが疲れるようでしたら、両手で頭を支えて行ってください。

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肋骨の柔軟性を高めるローオブリークツイスト

 

本日は「猫背姿勢と逆流性食道炎」についてお話いたしました。

猫背姿勢を矯正して健康的な身体を維持していきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」

中北貴之

ABOUT ME
中北貴之
理学療法士/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして幅広く活動中。