猫背に関わる症状と改善方法

内巻き肩の原因と矯正方法

 こんにちは。

理学療法士の中北です。

本日は「内巻き肩の原因と改善方法」についてお話いたします。

 姿勢で気になる部位ベスト3に、必ず入っているといっても過言ではない”内巻き肩”、この姿勢を矯正する為に、肩の基本的な構造からみていきましょう。

肩の基本構造

 肩の内巻きを治すためには、肩がどのように構成されているのかを知ることが近道となります。

※専門的にいうと、肩は鎖骨や肋骨、胸骨など色々な部分も含みますが、ここでは狭義の肩についてお話いたします。

肩関節

肩は上腕骨という腕の骨と肩甲骨という背中にのっている天使の羽の様な形をした骨によって構成されています。

この肩甲骨は、肋骨の上を滑る様に動くのですが、肩を構成しているこの”肩甲骨”の位置が本来の位置からズレ、前を向き過ぎると、いわゆる「内巻き肩」になりますので、位置がとても大切です。

そして、肩甲骨は”肋骨”の上に乗っかるようにして存在していますので、肋骨の位置も肩の内巻きに関係します。

更には、肋骨は”背骨”にくっついていますので、背骨の配列は肋骨や肩甲骨の位置に関わり、結果として肩の内巻きにも関係します。

突き詰めていくと、背骨は骨盤の上にのっていますので、骨盤の位置と背骨の配列が大切です!ということです。

肋骨と肩甲骨の関係

内巻き肩と猫背は密接な関係にあります

”猫背姿勢=背中が丸くなっている”という印象があるかと思います。

 もちろん背中も丸くなっているのですが、背中全体というよりも上背部の一部分だけが過剰に丸くなっているケースが多く見られます。そして、背中でもみぞおち~腰の辺りはむしろ反り過ぎている姿勢になっていることが多いのが特徴です。

背骨の理想的な形を知りたい方はコチラ

背骨と骨盤
理想的な背骨の状態と骨盤との繋がり姿勢を形作る上で重要な背骨。「理想的な背骨」とは、そもそもどういった状態なのか?といったことを、専門家が基本から解説。更には背骨は骨盤の上にのっている為、骨盤と背骨の繋がりについても、イラストを交えながら分かりやすく説明しています。...

 

背骨の配列がズレると肋骨の位置もズレ、肩甲骨の位置もズレます。

上背部の背骨が過剰に丸まるために肋骨の前側が下を向くような形となり、肩甲骨も前にお辞儀するような形になります。

そうすると、肩甲骨からくっついている上腕骨は前に出て”内巻き”しているように見えてしまいます。

内巻き肩はライフスタイルが大きく影響する

ここから更に身体と内巻き肩について掘り下げて考えていきたいと思います

なぜ骨盤や背骨、肩甲骨の位置が、本来の位置からズレてしまうのか?ということを考えていくと、現代人のライフスタイルにいきつきます

 

現代の生活はテクノロジーの発達と共に、昔は自らの足で歩いて移動をしていたのが、車や電車で移動をする様になり、洗濯や掃除などもボタン1つ押すだけで、完了してしまう様になってきています

 

デスクワーク

仕事を考えても、昔は肉体労働が中心でしたが、現代の多くの方は、いわゆるデスクワーク業務が中心

そうすると、日常の運動量や活動量が、昔に比べて大幅に減少をし、運動量や活動量が減少をしたことで、脳の働きが低下をしやすい環境にあります

人の身体は脳が筋肉に指令を送り、筋肉が収縮することで骨や関節が動く為、脳の機能が低下をすることで、骨や関節にも影響が出てくるんですね

そして、脳が機能低下を起こすことで、肩を前側に引っ張る筋肉や、骨盤を前に過剰に前傾させる筋肉、背骨を反らせる筋肉などにスイッチが入りやすくなる為、巻き肩を生み出しやすくなります

 

その為、意識的に日頃から身体を動かす習慣を身に着けることで脳を活性化し、根本から巻き肩を改善していくことをおススメします

内巻き肩の矯正に効果的なヒップリフト

 それでは、お家で簡単に行う事ができ、脳を活性化すると共に、骨盤や背骨から整えて内巻き肩を改善するエクササイズ、『ヒップリフト』をご紹介いたします。

***************

~エクササイズのやり方~

①両膝を立てて仰向けになります。

②息を吐きながら肋骨を閉じて、腰の隙間を埋めます。

③腰の隙間を埋めたら、お尻側から頭側へと、1つ1つ丁寧に背骨を持ち上げていきます。

④腰が反らないところまでお尻を上げ、今度は頭側から1つ1つ丁寧に背骨を下ろしていきます。

⑤5回~10回繰り返してください。

☆エクササイズのポイント☆

※背骨を動かす際は、常に息を吐いて行いましょう。

※エクササイズ中に腰に痛みが生じるようでしたら、無理に行わないでください。

***************

このヒップリフトを行う事で、脳へたくさんの刺激が伝わり、活性化を出来るだけでなく、骨盤から背骨のコントロール能力が高まりますので、肩の内巻きを根本から改善をする事が出来ます!

トライポッドツイスト

こちらの『トライポッドツイスト』も、脳の活性化はもちろん、肩の内巻きを改善するために必要な筋肉のトレーニングとしても効果的です!

***************

~エクササイズのやり方~

①右膝をつき、左手で床を押して体を支えます。

②右手を天井へ伸ばすように、体を捻ります。

③元の姿勢に戻ったら、脚はそのままで右手を床に着き、左手を天井の方へと伸ばします。

④交互に5回ずつ行いましょう。

⑤終わったら脚を入れ替えておこなってください。

☆エクササイズのポイント☆

※視線は常に動いている指先を追いかけるようにしてください。

※肩がすくまないようにしましょう。

※足の裏が動き過ぎないようにしましょう。

※呼吸を止めないようにしてください。

***************

本日は「内巻き肩の原因や矯正法」についてお話いたしました。

ただ胸を張るのではなく、運動を通して脳を活性化すると共に、土台となる背骨の配列から整えていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」

中北貴之

ABOUT ME
中北貴之
理学療法士/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして幅広く活動中。