こんにちは。
トレーナーの檜森です。
昔は、仕事と言えば、いわゆる「肉体労働」が中心だった訳ですが、現在はデスクワークが仕事の中心となり、更にはスマートフォンの普及によって、常にパソコンやスマートフォンなどを利用されている方がほとんどです
そして、その様なライフスタイルが増加するにつれて、身体の不具合や不調を抱える方が増えてきていますので、今日はデスクワーク時の座り姿勢やスマートフォンが身体や姿勢に与える影響などをお話させて頂きます
Contents
座っている時間が長いと病気のリスクが高まる?
最近では様々な研究が進み、「座位時間」の長さが健康への与える影響が、あちらこちらで発表されるようになってきました。例えば、座っている時間が長い方は、そうでない方の1.2倍死亡リスクが高まる、や、糖尿病、高血圧のリスクが高まる、腰痛の可能性が高まるなど。
日本人は、欧米人に比べ、仕事をしている時間も長いとされているため、何かしらのリスクを無意識に背負っている可能性はありそうですね。
デスクワークが猫背を生みやすい理由
更には、座り姿勢が長いと猫背になりやすいなど、姿勢が崩れる原因でもあります。理由は様々ありますが、身体のセンサーが働かないことが、猫背を引き起こす大きな理由です!
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私たちの姿勢は、「感覚器」と呼ばれる以下3つのセンサーによって状態を把握し、調整されています。
- 固有受容器:主に筋肉や関節、皮膚に存在している。動きや位置、刺激など様々な情報を脳に伝えるセンサー
- 前庭:耳の中に存在している。動きの加速や身体の傾きを感知し、脳に情報を送るセンサー
- 視覚:外の情報を映像として脳に届けるセンサー
話が変わりますが、最近発売されている車も、センサーが搭載されたものが非常に多いですよね!
このセンサーが働くことで、近くに物があったり、前方車との距離が近くなったりすると、アラートを出してくれます。人間も同じように、身体の様々なパーツがセンサーの役割をすることで、外界に対して自分がどうなっているか認識ができるようになります。
人の姿勢制御に話を戻すと、ここで重要になってくるのは、①の固有受容器になります。座っている状態では、関節や筋肉がほぼ動かない為、運動によって働くセンサーが機能せず、脳にも情報が行き届かなくなります。
では、情報が行き届かなくなるとどうなるのか。
脳には、「これは自分の身体だ」という「身体所有感」と呼ばれるものがあり、自分の姿勢を無意識的にコントロールしています。
しかし、固有受容器が働かなかったり、身体の傾きや加速、回転などを感じ取る「前庭」の機能が低下をしていると、このような無意識的な姿勢のコントロールがうまくいかなくなります。
これが、デスクワーク中心の生活で起きる、猫背の原因の大きな理由です。
スマホが与える体への影響
更に、スマートフォンの普及によって、身体への悪影響が追い打ちをかけます。
スマートフォンは、私たちの生活を格段に便利にしてくれ、今では生活の一部に欠かせないアイテムになっています。
一方で、スマートフォンの過剰な使用により、様々な健康問題や、社会問題を引き起こしていることも報道されています。
一例として、子どもたちの睡眠時間が短くなったり、集中力や意欲の低下が実際に起きていることは、先日放送された報道番組でも紹介されていました。
スマートフォンの過剰な使用は身体や姿勢にどのように関係するのか。
東北大学の研究では、「スマートフォンを使用している際、脳の前頭葉の血流量が低下している」ということが判明しました。また、スマートフォンの利用時間と数学の点数の負の相関などが見られるといった研究もあります。
姿勢を司る司令塔である「脳幹」が、全身の筋肉の緊張状態や呼吸などを制御しています。上述した「前頭葉」は脳幹との関わりを持つため、前頭葉が機能低下を起こしている状態は、筋肉の緊張状態を制御できなくなったり、正しい呼吸が崩れることによる自律神経の乱れに繋がり、姿勢にも影響が出てきます。
前頭葉は、「痛み」を抑制する働きを持つ部分もあるため、前頭葉の機能低下が起きていると、患部がたとえ炎症している状態ではなくても「痛い!」と感じてしまいます。
慢性的な腰痛や肩こりなども関係しているため、こうした部分をしっかりと働かせることが、症状緩和の大事なアプローチとなります。
スマートフォンは目の機能を低下させる?
また、スマートフォン等デジタルデバイスが発する「光」も、私たちの身体に何かしらの変化を与えます。スマートフォンが発する光は「透過光」と呼ばれ、光の情報がそのまま脳に行き届きます。
反対に、日中視界に入る様々な景色や書類や本などに印刷されている文字は、太陽光などの反射により、目に行き届き、モノが識別できます。これの光を「反射光」と言います。
透過光は眼球を通して直接脳へ情報が行き届くため、光が当たった反射により見える物体と比べて、情報処理の過程が必要ありません。すなわち「認識」がしにくくなり、脳としての働きも低下します。
- 文章やデザインをチェックする際は、透過光で投射された情報よりも、紙媒体などに起こした方が正確にチェックすることができると言われています。
- スマートフォンは透過光ですが、Kindleは反射光を採用しています。(おそらく身体の負担を減らすため)デジタル媒体での読書を習慣化している方は、Kindleの使用をオススメします。
デスクワーカーがキレイな姿勢を創るポイント
座り姿勢が猫背を生むことはわかっていても、デスクワークが中心の仕事では、座り時間を減らす事も難しいですし、スマートフォンの利用を0にする事も現実的ではないと思います。
その為、リスクを理解した上で、上手く活用をする為に、現代を生きるデスクワーカーの皆様にオススメの、猫背予防のポイントをお伝えします。
- 45~60分に1回は立ち上がり、伸びをする
- 45~60分に1回はモニターから目を離し、遠くを見る
- お昼などまとまった休憩時は、お散歩をする
- 定期的な運動習慣を身につける
可能な限り、身体を動かす頻度を増やすことで、固有受容器と呼ばれる身体全体のセンサーが活性化していき、無意識の中でも自分の姿勢が維持しやすくなっていきます。
気づけば1日中座っているという方は、その生活が猫背になる第1歩ですので、予防のポイントを踏まえて、ぜひ身体を動かすように心がけてみてくださいね!
まとめ
ご自分の前頭葉の状態を知りたい場合は「ストループテスト」という評価を行ってみましょう。アプリでもダウンロード可能なものがありますので、ぜひ試してみてください!
生活が便利になる分、知らないうちに自分の体の不調にも繋がっている可能性があります。今回の内容で、少しでも当てはまると感じた方は、ぜひ上記のポイントを意識してみてくださいませ。
より詳しく猫背を改善したいという方は、ぜひ「きゃっとばっく」へお越しくださいませ。
最後までお読みいただきありがとうございました。