こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。
健康や美容に関わる商品、サービスにおいて、「代謝アップ」などの言葉を見掛けることが多いかと思います。
なんとなく、代謝がアップしたら身体に良いんだろうな~。とは思うけれど、そもそも代謝って何だろう?新陳代謝と基礎代謝って違うのかな?と感じている方も多いのではないでしょうか?
ということで、本日のテーマは代謝と基礎代謝について、お話していきたいと思います。
代謝と基礎代謝とは
先ず、それぞれの違いについて見ていきたいと思います
代謝:物質を分解する事でエネルギーを生み出したり(異化)、エネルギーを使って物質を生み出したり(同化)するなどの化学変化とエネルギー変換のこと。
代謝を大きく2つに分けると、エネルギー代謝と物質代謝があり、物質代謝は先述の「異化」と「同化」になります。
例えば、お米を食べるというのは、言い換えると「炭水化物」を摂取している訳ですが、炭水化物は「糖質+食物繊維」のことであり、更に言えば、糖質というのは単糖が集まった状態です。
ヒトは糖質を単糖まで分解しないと体内に吸収することが出来ませんので、ご飯を食べ、炭水化物を食物繊維と糖質に分解し、更に糖質を単糖の状態まで分解してはじめて、体内に吸収出来る訳ですが、その過程で多くのエネルギー変換や、様々な化学変化が起こっているんですね!
エネルギー代謝とは
エネルギー代謝には、「基礎代謝」と「活動代謝」、「食事誘導性熱代謝」と呼ばれる3つのものがあり、それぞれ以下になります。
基礎代謝:心身ともに安静にしている時でも、生命維持に必要な最低限のエネルギーのことりあであり、その量を基礎代謝量と呼ぶ。
活動代謝:歩いたり、トレーニングをしたり、身体を動かすことで消費されるエネルギーのこと。
食事誘導性体熱産生:食べたものを消化吸収するなど、食事をすることでエネルギーを消費すること。
例えば、ダイエットの為にランニングを開始することによって、消費するエネルギーというのが、活動代謝になります。
活動代謝は、いわゆるトレーニングやランニングだけではなく、通勤の際に歩いたり、自転車を漕いだりすることも活動代謝に含まれます。
そして、食事の後に体が暖かく感じる方もいらっしゃると思いますが、これは食べたものを消化吸収する際に起こるエネルギー消費である、食事誘発性熱産生によるものです。
基礎代謝とダイエット
そして、ダイエットなどでは、筋肉を増やして基礎代謝を高めましょう!などと言われるのを、耳にしたことがある方も多いと思いますが、基礎代謝とは「生きるために最低限必要な代謝」のことです。
私達は、寝ている時でも自然と呼吸をしたり、心臓は動いていますし、体温は一定に保たれていますよね。この様な生きるために最低限必要な、脳や内臓によって行われる代謝のことを基礎代謝と言います。
なぜ、ダイエットにおいて基礎代謝が注目をされるのか?というと、それは一日の総消費エネルギーのうちの約60%を、基礎代謝が占めているからなんですね。
その為、基礎代謝が高くなるほど一日のエネルギー消費量が増加するため、当然痩せやすくなります。
基礎代謝を高めるには!
基礎代謝を高めるためにはどうすれば良いのかというと、筋肉量を増やすことが大切になります。
基礎代謝の内訳を見ていくと、以下の様になります。
筋肉:22%
肝臓:21%
脳:20%
(e-ヘルスネットより https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html )
1位の骨格筋と肝臓や脳の差は僅かなのですが、骨格筋以外の肝臓や脳の活動というのは、自分の意志ではコントロールが難しいですよね。
そのため、基礎代謝を高めるためには、ご自身でコントロール可能な筋肉量を増やすことが大切であり、「ダイエットをする時は、筋肉量を維持することが重要と言われる所以ですね。
それと同時に気を付けて頂きたいのが、筋肉1㎏あたりの基礎代謝量は13Kcalに過ぎないということです。
もちろん、筋肉量の増やす為のトレーニングを行う事で、活動代謝量も増加をします、様々なホルモンなどの分泌も起こり、心身の健康にはプラスのことばかりですので、ぜひおススメしたいのですが、筋肉量を増やせば何を食べて痩せる訳ではなく、バランスの良い食事を摂る事は重要なポイントになりますので、筋肉量を過信し過ぎない様に注意が必要です。
分かってはいるけれどになりやすいのですが、やはり大切なのは、適切な食事と、適度な運動で基礎代謝を高め、健康的な日々を過ごすこと。
最初から100点を目指すのではなく、先ずは自分がやれそうなことから始めていくのがおススメです。
imok株式会社
中北貴之