身体の仕組み

カラダの雑学4|骨盤底筋群とは

こんにちは。
猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」です!

知らなくても人生困らないけど、知っているとちょっとお得なカラダの雑学シリーズ第4弾は、『骨盤底筋群』についてのお話を。

骨盤内臓器の支持や排尿・排便に関与している重要な筋肉で、出産によって機能低下を起こしやすいので、女性の方が馴染みがあるかもしれませんね。

姿勢の安定化や、体幹部の安定性にも深く関りますので、猫背姿勢や腰痛の改善にも必須の筋肉です。

骨盤底筋群とは

 

 

骨盤底筋群の解剖イラストVISIBLE BODYで作成

骨盤底筋群は上図のとおり、複数の筋肉によって構成されており、浅層・中間層・深層に分かれています。
※細かい解剖学は興味ないよ~という方は飛ばしてください!

・浅層:外肛門括約筋や外尿道括約筋などの括約筋、球海綿体筋や坐骨海綿体筋などの勃起筋により構成される。

・中間層:尿生殖裂孔を覆うように骨盤底前方を支持する尿生殖隔膜により構成される。尿道括約筋と連結して尿禁制にも関与する。

・深層:尾骨筋と肛門挙筋(恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)により構成され、骨盤隔膜とも呼ばれる。なお、内閉鎖筋や梨状筋を含める場合もあります。肛門挙筋の持続的収縮により尿生殖裂孔を閉鎖し、骨盤内臓器の支持や排泄の禁制維持に関与する。

骨盤底筋群と姿勢の関係

骨盤底筋群に限らず、どこの筋肉にも至適長と言って、最も力を発揮しやすい長さがありますが、

骨盤底筋群の場合は、骨盤のニュートラルポジションが至適長であるといわれています。

※骨盤のニュートラルポジションとは、立位や座位であれば、下図のように両ASISと恥骨を結んだ三角形が床に対して垂直な状態のことです。

ASISと恥骨結合のイラストVISIBLE BODYで作成

 

現代では骨盤が過前傾している方が多くいらっしゃいますが、骨盤が過前傾位になると左右の尾骨が近づくため、骨盤底筋群は至適長よりも短縮位となって機能低下を起こします。

また、短縮位=弛んだ状態となるため、骨盤内臓器を支持する機能も低下します。

骨盤内臓器は骨盤底筋群と靱帯によって支持されていますが、筋肉によって支える力が低下すれば、その分だけ靱帯にかかる負担が増加します。長期に渡って靱帯に頼っていると、徐々に靱帯は弛んでしまい、筋肉と靱帯の双方ともに骨盤内臓器を支持する力が弱くなってしまいます。

そのため、骨盤底筋群の機能を改善するうえでは、まずは姿勢の改善が重要だということですね!

骨盤底筋群と股関節の機能とは

続いては、骨盤底筋群と股関節の関係についてのお話です。

股関節は歩行や姿勢維持に働くことに加え、股関節の動きが悪くなると、お隣さんの腰への負担が増大して腰痛につながりますので、股関節が適切に機能していることはとても大切です。

そんな股関節のインナーマッスルとして代表的な深層外旋六筋の一つである「内閉鎖筋」は、骨盤底筋群の中の腸骨尾骨筋という筋肉と連結しているため、内閉鎖筋を骨盤底筋群の一つに数えることもあります。

そのため、前述のように姿勢が崩れることで骨盤底筋の機能低下を招き、内閉鎖筋の機能にも影響します。

内閉鎖筋は股関節を安定性させるうえでもかなり重要な筋肉なので、骨盤が過前傾している方は、まず骨盤のニュートラルポジションをとれるようにすることが股関節や骨盤底筋の機能を高めるうえでも重要ですね。

そのような方におススメのピラティスエクササイズが「ヒップリフト」です!

https://imok-academy.com/exercise-90−90hip-lift

 

本日は骨盤底筋群についてお話いたしました。
猫背改善、腰痛改善にも大切な筋肉ですので、しっかり働くようにしていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※参考文献
石井美和子:ウィメンズヘルスと理学療法.三輪書店.2016.
石井美和子監訳:骨盤帯.医歯薬出版.2013.
坂井健雄監訳:グラント解剖学図譜第6版.医学書院.2011.

ABOUT ME
中北貴之
理学療法士/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして幅広く活動中。