こんにちわ
最近は、家でのトレーニングに関する記事や動画を、多くのメディアで目にします
その中でよく見かけるエクサイズが「フロントプランク」
体幹トレーニングとして紹介をされていることが多く、素晴らしいエクササイズであることは間違いないのですが、より効果的に行う為には、段階的に行う事が重要です
体幹とは
まず人の身体における体幹とは、「四肢と頭部を除くすべての部分」になります
骨盤や背骨を含んだ身体の中心部にあたり、腕や脚からの力を伝達する箇所でもある為、トレーニングでは重要視されます
一般的には、この体幹部に日常生活以上の大きな負荷が加わるトレーニングを体幹トレーニングと言い、代表的なエクササイズとして、フロントプランクやサイドプランクなどが挙げられます
体幹のコントロール方法
体幹をコントロールする方法は、大きく2つに分類をしたり、3つに分類をしたりすることがあります
2つに分類をする場合は、遅筋線維をメインに使って体幹を制御する「ソフトコア」と、速筋をメインに使って体幹を制御する「ハードコア」に分けられます
遅筋線維というのは、赤い色をしている為、別名「赤筋」と言われ、筋線維の収縮は比較的ゆっくりで、発揮出来る力は小さいものの、持久力に富むという特徴があります
それに対して、速筋線維というのは、白い色をしている為、「白筋」と言われ、筋線維の収縮が早く、爆発的に大きな力を発揮するものの、持久力が低いという特徴があります
その為、ソフトコアのエクササイズを行う場合、ゆっくりとしたスピードで、比較的負荷が軽い動作を行います
ピラティスのロールアップロールダウンなどは、まさにソフトコアのエクササイズ
ハードコアのエクササイズを行う場合は、素早く、体幹への負荷の高い動作を行う形になります
フロントプランクをはじめとする、プランクシリーズがハードコアの代表的なエクササイズですね
厳密に言えば、遅筋がメインで働くか、速筋がメインで働くかは、その人の筋力レベルによって変わる為、Aというエクササイズが、人によってはソフトコアであり、人によってはハードコアなエクササイズになります
表層筋と深層筋の役割の違い
遅筋線維というのは、基本的には骨や関節の周りなど、身体の深層に多く存在し、速筋線維というのは、身体の表層に対する割合が多いのも特徴です
体幹の深層筋は、腹横筋や多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群などをさして、インナーユニットと呼ばれたりします
そして、深層にある遅筋の重要な役割として「関節を安定させる」というものがあります。体幹だけではなく、腕や脚を動かしたりする時にも、股関節や肩関節などを本来の位置に保つ作用を有しています
それに対して、表層の速筋線維というのは、骨を大きく、素早く動かすという役割がありますが、この働きを行う為には、先ずは深層の筋によって関節が安定し、その後に速筋線維にスイッチが入って、骨や関節を大きく動かすというのが、ケガを予防する為にも重要なポイントです
例えば、肩の深層の筋肉にローテーターカフと呼ばれるいくつかの筋肉がありますが、最初にこの方の深層筋にスイッチが入る事で、肩の関節が安定し、その後に三角筋と呼ばれる表層の筋にスイッチが入る事で、腕の骨が大きく動いて、バンザイなどの動作を行う事が出来ます
しかし、先に表層の筋にスイッチが入り、深層の筋肉に上手くスイッチが入らないと、「インピジメント」といって、腕の骨で筋肉や関節の袋を挟み込んでしまい、腕を天井に向かってあげると、肩が痛いなどの様な状態を引き起こしてしまいます
大切なのはトレーニングの順番
ソフトコアをによる安定、ハードコアによる安定、それぞれ必要なのですが、じつは順番が重要です
現代人の多くは、日頃の様々なストレッサーにより、交感神経が優位な緊張モードになっていることが多く、背骨と肋骨を反らせ、表層の筋で体幹を固める様に制御している方が多く見受けられます
また、腰痛などをはじめ、痛みを抱えていた方の多くは、本来、遅筋線維をメインに使って行う低負荷な動作を、速筋線維をメインに使って行いやすいという研究なども見受けられます
そうした、日頃から速筋線維を使いやすくなっている方、ハードコアで身体を固める様な癖が付いている方に対して、いきなりフロントプランクなどのハードコアなエクササイズばかりを行わせてしまうと、更に身体を固める癖がつきやすくなることが考えられます
その為、先ずはヒップリフトやロールアップロールダウン、ローリングなどのソフトコアなエクササイズから開始し、ソフトコアによる体幹のコントロール法を獲得してから、フロントプランクやサイドプランクなどの、ハードコアなエクササイズを行っていく事がおススメです
ローリング
90-90ヒップリフト
ロールオーバー
体幹トレーニングを行うときは、ぜひソフトコアのエクササイズから始めてみてください