こんにちは。
理学療法士の中北です。
本日は「人の身体と左右差」についてお話いたします。
「鏡を見ていて肩の高さが違うな~」「カバンを持ちやすい方が決まっているな~」「いつも同じ足を組むな~」「マッサージに行くと左右差があると言われるな~」
などなど、日常生活の中で左右差を感じたり、人から指摘をされたりといったご経験が一度はあるのではないでしょうか。
人間には左右差がありますが、左右差が大きくなり過ぎることで猫背姿勢にもなりやすくなります。
まずは、体の左右差の原因から確認していきましょう。
内臓の非対称性
そもそも、人間の構造は左右非対称です。
中でも大きな影響を与えているのが人体最大の臓器である「肝臓」ですが、肺などと異なり、肝臓は1つだけであり、右側にあります。
左側にもあるとバランスが良いのですが、残念ながら右側だけです。
さらに、心臓もやや左に回旋しています。
上記の様に、そもそも1つしか存在しない臓器があり、そうした内臓の配置に左右差があるので、当然ながら筋肉などにも左右差が生じます。
横隔膜の左右差
人体に数多ある筋肉の中でも、最も左右差が大きいのが「横隔膜」です。
横隔膜は呼吸に最も重要な筋肉であり、肺や心臓が納まる「胸腔」という空間と胃や腸などが納まる「腹腔」という空間の境界線になっている筋肉でもあります。
前述の通り、肝臓は右側にしかありませんので、横隔膜も肝臓に押し上げられるような形で右側の方が高く、左側の方が低い構造になります。
そして、横隔膜は腰椎(腰の骨)まで付着していますが、右側は第3腰椎に付着し、左側は第2腰椎に付着していますので、横隔膜は右側の方が上から下まで長く筋肉が伸びていることになります。
このように左右差がある横隔膜は、ヒトが生きていくうえで不可欠な呼吸に関わる筋肉です。
横隔膜は安静吸気(息を吸う運動)の70~80%を担っています。
寝転がっていたり、座って仕事をしていたり、スマホを使っている時など、運動をしていない時の呼吸はほとんどが横隔膜によって行われていることになります。
ちなみに、呼吸は一日に約23,000回行われていますが、その中で横隔膜は大部分を担っているということです。
毎日毎日、約23,000回も左右非対称な動きをしていたら、左右差が生じそうですね。
それでは、実際にどのような左右差が生じるかというと、骨盤の左右差に大きく関わります。
横隔膜は「大腰筋」という骨盤の前側を走行する筋肉と連結しますので、横隔膜の左右差は大腰筋の左右差にもつながり、結果として骨盤の左右差にもつながります。
骨盤は背骨の土台になる部分ですので、骨盤に左右差が生じると背骨や肋骨、肩の高さの左右差にもつながります。
左脳と右脳の違い
更には、人の身体をコントロールする脳は、左脳と右脳が存在し、脳梁と呼ばれる架け橋で常にやり取りをしているものの、左脳と右脳では役割が異なります。
そして、右利きの人が約90%と言われ、右手の細かな動作のコントロールは左脳が行っていますので、基本的には左脳が優位な人がほとんどです。
そして、内臓の左右差が姿勢の左右差を生み、姿勢の左右さが、更に脳の左右差を拡大し、脳の左右差が動作の左右差を生むことで、更に脳の左右差や姿勢の左右差を拡大していくという負のサイクルに入りやすくなります。
体の左右差と姿勢
ここまでお話してきたように、体や脳には生まれ持った左右差がありますが、問題はこの左右差が大きくなり過ぎることです。
左右差が大きくなると、体の捻じれも大きくなり、片側の肩だけ前に出てしまって内巻きに見えてしまうようになります。
どういうことかと言うと、背骨がどちらかに倒れると、必ず捻じれる動きも伴います。
背骨が捻じれると肋骨の位置も捻じれ、その上に乗っている肩甲骨の位置も捻じれ、結果として肩も前に出てしまうという関係です。
肩が前に出てしまうと、猫背姿勢に見えやすくなりますよね。
セルフチェック方法
それでは最後に、体の左右差のセルフチェックをしてみましょう!
①壁立ちになり、カカト・お尻・肩甲骨・後頭部を壁に着けます。
肩と壁、腰と壁の隙間に左右差が無いかチェックしてみましょう。
②片脚立ちを10秒
どちらの脚が立ちやすいかチェックしてみましょう。
いかがでしたか?
上記のチェックで大きな左右差があった方は、骨盤にも大きく左右差がある可能性があります。
気になる方は専門家の方に見てもらってください。
また、弊社が運営する猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」でも姿勢の左右差改善を実施しております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」
中北貴之